グッドマンのピアノ

2006/06/26 月曜日 - 11:31:48 by tshibuya

グッドマンのピアノは不思議なピアノだ。
ピアノにうるさい人なら見ただけで怒り出しそうだし(なにしろピアノの中は埃だらけ、回り、下などは機材でいっぱいだ)、その音ときたらピアノという概念を外れてそれを思い出すこともない、といったような、要するに古いガタガタのピアノで、弾いていて「いよいよこれでお終いかな」となんど思ったか知れない。
ところがそれがなかなかお終いにならないのだ。その度に復活する。いつの間にか元の状態に戻っている。元の状態といっても既になっている元の状態ですが。

考えた。これはこのピアノの素質を現しているんじゃないか。
もちろん手を入れている人の苦労もあるに違いないけれど、そういったものの他に、なにか強靱とでもいう他ない底力が感じられて、それが強靱という言葉から想像されるような力強いというのでもなく、実に頼りない感じがしてどこか頼りになる、というようなそういう底力なのだ。

この「グッドマンのピアノ」が好きで、いつもピアノの前に座ると今日はどんな音で響くのかとどきどきする。6月23日は最後の演奏だったけれど、ピアノはなにごともなくいつものように美しく響き、ぼくもまた満足していたのだった。

3 Responses - “グッドマンのピアノ”

  1. 川中 : 2006/06/26 - 21:05:40 -

    初めてコメントさせていただきます。
    グッドマンがなくなってしまうのですね。
    渋谷さんが川端さん石渡さんと出ていた頃、僕も2ヶ月に1回のペースで出ていました(ドラムです)。あのピアノも思い出深いです。当時のメンバーのピアニスト達も最初はあのピアノに驚いていましたが、慣れというかあきらめというかそのうち楽しんでいました。お店自体は移転されるとのことですがあのピアノがグッドマンそのものという感じです。
    僕は今札幌でなんとなく演奏を続けております。8月のバンケイジャズフェスでお目にかかれるのを楽しみにしています。

  2. tshibuya : 2006/06/27 - 11:23:22 -

    「あのピアノがグッドマンそのもの」というのはまったくその通りですね。ああいうものがあり、しかもちゃんと機能しているというのはなにか救われた感じがします。

    川中さんは札幌ですか。昨日のピットイン(今村祐司グループ)には札幌の石田くんというピアノが遊びにきていました。で、ちょっと遊んでいってもらった。
    では8月、札幌で。

  3. 川中 : 2006/06/27 - 12:30:30 -

    「石田みきお」とはたまに一緒に演奏します。面白まじめなやつですよね。
    彼の真剣さにはあせります。あせっているだけですが。

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